会話
Lucy

久しぶりに電話してみる
着信音が十回で、切る
内心ホッとする
まもなく向こうからかかってくる
少し慌てる
「なに?どうかした?」
声を聴いて安堵する
「いやどうもしないけど。今話せるの?」
「うーん、今ちょっと時間ない・・あ、生存確認?」
「うん」
「あ、生きてる」
「うん。元気?なにか困ってない?」
「・・困ってはいるけど、・・自分で解決できる。」
「そうなの・・。じゃ、夜にでも電話ちょうだい」
「ごめん、今日は無理。ちょっと忙しいんだ。」
「そうなの。じゃ。気が向いた時でいいわ」
「うん、わかった。ごめんね、なんか。」
「うん、じゃね、また。」
「うん、どうも。」
四か月ぶりに声を聴く
確かに生存確認はできた
海でおぼれ死んでもいないし
刑事事件も起こしてないらしい
だけど「困っているけど・・」
って言った
親を安心させたいなら
そこは嘘でも強がっておこうよ
助けてくれって言われても困るけど
「自分で解決しな」って、言わなくちゃだけど
大口開けて泣いている
五歳の君の顔が
夜中に何度もフラッシュバックするんだ


自由詩 会話 Copyright Lucy 2016-09-14 15:25:41縦
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