煮込み隊
藤鈴呼


室内にいても 外の寒気を 感じる季節 到来
歓喜乱舞ばかりとは 行かないようで

これで リフトにでも 乗っていたら 
また 気分は 違うのでしょうが

などと 毒づく暇も 与えられず
震えながら フライパンを 回す夜
 
タイマーをかけて ゆっくりと 煮込む 
根菜の柔らかさを 連想しながら

棒ラーメンの 賞味期限が ヤバイ 
と 言いながら 夕寝に入る 旦那

私は 丁度 昼寝から 起きたところ
何だか いつもと逆の 音がする

シャクシャクシャク
小気味良いハミングに 覗いてみれば

エビせんが 小さくなりたく 視界の隙間に
笑顔の 咲きごちたる

開けてある 雪の宿 ひとつ
期間限定 苺ミルク味

ふんわりと 春の香りを まとった空間が
ぱっと 華やぐのです

本当は 寿司も 食べたい
だけど こないだ くるくる回る場所で

アルバイトの 高校生作成の シャリが
非常に ビミョーだったから

オレ もう あすこは いかない
などと ほざく

もっと 安価な場所でも 良いのです
何だか ネタの良さも 必要だけれども

あの 雰囲気を 感じたい
そんな 夜が 確かに 存在するのです

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自由詩 煮込み隊 Copyright 藤鈴呼 2016-09-04 00:27:03
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