ターミナル
ガト
水と油が
分離するように
時折
私はゆらゆらと分裂する
それは
焦点がずれた映像のように
バスの窓から景色を見ている
光の帯が
賑やかな街に伸びて
ひとりの私を過去にしていき
やがて終点で街に投げ出され
もうひとりの私が現実にとどまる
普段の顔で歩きはじめて
ふと
今通り過ぎた光の軌跡を振り返ると
たくさんの感情を抱いた別の私が
夜の雑踏にちぎれて消えていった
自由詩
ターミナル
Copyright
ガト
2016-08-29 01:57:22