私の中へ
葉月 祐

私の中にある 
形にならない感情や
まだ芽を出さない言葉の種
これらすべてを伝えきれたなら
その時 何を感じるだろう

すべてを伝えきった時
そこにあるのはなんだろう
満ち満ちた感覚だろうか
もしかしたら 新たな飢えが
机の上に用意されているかもしれない

黙々と考えては ペンをとる
導き出される答えはいつも曖昧で
何度も何度も 私は試される

もしもすべての言葉を理解し
この手で束ねられたとしても
届かない思いがあっさりと届くとか
それによる悩みが解決するなんて
今はまだ 想像もつかない

まだ まだ まだ、

今はまだ 数ある課題を解く時間
そこを越えて そうして初めて
私がはじまるのだと 思うから
焦らずに一歩を 確実に踏み締める

私の中には
形に出来ない感情がある
芽を出したがらない言葉がある

息を切らしながら長い夜を抜け出し
初めて迎える新しい朝を感じとった時
はじめて 種がはじけて 心はおどるのだろう

その日の為に 今日もペンをとる
紙の上に降ってくる答えと格闘しながら
何度も何度も 自問自答を繰り返して
私は私の中へとダイブする





自由詩 私の中へ Copyright 葉月 祐 2016-08-25 13:23:39
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