夜中の三時に雄弁でショー
もっぷ

覚えているの 二歳の頃を
趣味が公園探しで バケツとシャベル持ってふらふらと
帰る、ってことを知らなくて
お母さんを信じていました

覚えているの 四歳の頃を
幼稚園で初めての絵を 先生に「一番好きなものを」って
だから もちろん
お母さんの絵を描きました

覚えているの 六歳の頃を
早生まれだからもう小学校 お弁当をいつも残す子
大好物の三段重ね
お母さんは 叱らなかった

覚えているの 十二歳の頃を
覚えているの 十七歳の頃を
覚えているの 成人式を
覚えているの 社会に出た日
いつもどこかに お母さんの「おかげ」
そっと見守ってる気配 もう、気づいてた
あの日や
あの日や
あの日のことにも
私が嬉しい日には お母さんは泣いちゃって喜ぶし
私が悲しい日には お母さんはつらそうに俯いてしまう
私が泣く日には お母さんはとても力強く私を抱きしめ……

、もうネタ尽きたかな ところで
同情は大っ嫌いです、私はきっと
いま、ちっとも 泣いていません

そこで電話は勝手に切れた
見知らぬ他人からのものだった何かあったのかな。



自由詩 夜中の三時に雄弁でショー Copyright もっぷ 2016-08-24 04:37:53
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