雨やみ上がり虹のハシまでいと電話するすると吐く恋人のサギ/即興ゴルコンダ(仮)投票対象外
こうだたけみ

きみがクロと言うからわたしはシロと言う、どちらも七色からはみ出すくせにどうして白黒つけなきゃならないの。雨が上がって虹が出て、目を黒白させたきみは口を尖らせて、それを両手でつまんで伸ばすからアヒルみたいだ。夢の国のドナちゃんは人気者だけれど、きみのそれはぜんぜん支持されないと思う、そんなことは徒労だよ。いや違うこれは苦労だ。それならば買ってでもしろ!ってもうちっとも若くはないんだけどさ。じゃあ玄人かな。いやまだまだ、素人だね。
わたしはきみを知ろうとする。きみはわたしをクロウにして飛ばす。カアカア。帰ろうか。それぞれの家路。二人で帰る家がないのだから、いつまでたっても本当のところは言えないのであって、癒えない傷はいや増すばかり。だからね、わたしたちどこまでもグレイ、サギに似てるのよ、ツルの偽物みたい。じゃあぼくたちは二人でツルツル擬きだね。きみの脳みそみたいに? うん、そうだったらいいよね、また後で電話する。

そしていつだって鳴らない電話。
次のでいとを約束しそびれたまま、闇上がる、朝。


自由詩 雨やみ上がり虹のハシまでいと電話するすると吐く恋人のサギ/即興ゴルコンダ(仮)投票対象外 Copyright こうだたけみ 2016-08-21 19:42:15
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