ネギよりもキャベツ
もっぷ
どうして「ネギよりもキャベツ」なのか
という問題を論じあっていたキュウリたちのうちの哀れな一つは
熱心に考えすぎて周りから意識が逸れるほどだったので
気がつくと食卓への梯子はすっかりと片づけられてしまって もう
どのお皿へも載ることができなくなってしまった
泣きながらうずくまっているその姿を見ていた夜空の母さん星の一つが
そっと拾い上げ そして
ほかの子たちと分け隔てなく育てたので
「素敵な夜空の星になれた」
かつて「ネギよりもキャベツ」の問題をキュウリにお願いした
遠い(懐かしい)星のあの時の人間のこどもはふと見上げて
目が合った、その夜空の星からお願いされたので
どうして「キュウリよりも夜空の星」なのか
という問題を今も考えている