今を生きる
ヒヤシンス


 森の中にひっそりと佇む湖に北風が淡く吹き抜ける。
 初秋の風にやましさはない。
 私は一人湖岸を歩き、秋の訪れを静かに待っている。
 夏が今、去ろうとしている。

 私は自分の心と対峙する。
 私だけの空間で心を見つめる。
 自分の弱さを拭い去ることが出来たなら、
 人の優しさを感じ取ることも容易なのだろう。

 淡く咲け、私の心よ。
 深く見つめよ、すべてを。
 静けさの中の美を見逃すな。

 北風に揺れる湖面はまるで宝石のようだ。
 やがて来る秋冬を私は愛する。
 そうして私は今を凌いでいるのだ。
 


自由詩 今を生きる Copyright ヒヤシンス 2016-08-20 02:48:11
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