ロンリーナイト
坂本瞳子

一人の夜は
とても気楽で
無理に笑顔を作る必要もなく
諍い合うこともなく
気まずい間を埋めるために
言葉を立て続けて放つ必要もなくて

歩くのが面倒くさいといって
寝たまま転がってみても
脱いだ靴下をそのまま放置しても
食べ終えたお皿を洗わずにいても
嫌味の一つも聞こえてこない

視線を向ける先を探し
雲の闇に仄明かりを照らす
月を見つけ
影が描く姿を追う

そんな寂しさを
ほんの少し
味わってみる


自由詩 ロンリーナイト Copyright 坂本瞳子 2016-08-20 00:05:03
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