透明で情緒的な朝の栞、-0.5度、そしてあなたは何がしたいのか/即興ゴルコンダ(仮)投稿
こうだたけみ

朝は夢のお告げとともにやってきた。
都市のあらゆる時間の色を濃縮して色鉛筆を
つくり、その色鉛筆をもって描け。この目が
見るものすべてを丁寧にえがきつくすことで
立ち上がる都市。今この場所で、この瞬間を
生きている、その実感を書きつけろ。

オブジェクトを選択する。
-0.5度。
肉眼ではわからない程度の回転がかかるそれは、
拡大すると罫線が歪んでいて落ち着かない。
CMYKのパーセンテージがつくるご機嫌なカラー。
テキストはゴシックより明朝がお好みですか。
デリート。あるいはコマンドゼット。
なんなら白紙に戻したってかまやしない。
そんなリセットが簡単なのは画面の中だけで。
そうして私は何がしたいかって?
頭上で回る扇風機を叩き壊したい。
誰だって夏風邪をひくのは一度で十分でしょう。


自由詩 透明で情緒的な朝の栞、-0.5度、そしてあなたは何がしたいのか/即興ゴルコンダ(仮)投稿 Copyright こうだたけみ 2016-08-18 00:09:40
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