黄昏時の老人
ヒヤシンス
西の空に希望を背負った夕日が消えてゆく。
黄昏た公園で私は老人を見た。
ベンチに腰掛け自分の両手を見つめている。
その時初めて私にも皺だらけの掌があることに気が付いた。
深い年月を感じた。
すっかり暗くなった公園で街路灯が点る。
その下の老人は自分の影に吸い込まれてしまいそうに見えた。
何か諦めに近いものを感じた。
今日の日の希望は行ってしまった。
明日になれば希望を背負った太陽が昇るのだろう。
夏がやって来たのだから。
気が付けばいつしか老人は消えていた。
老人の微かな温もりが私に気付きを与えたのだろうか。
それとも老人は私自身だったのであろうか。