待宵草
Lucy

時の過ぎるのを忘れ
畦道にしゃがみ
ひらく瞬間を待っていた
山の向こうに月が姿を現すころ
何かが限界をむかえるように
耐えていたがくが
プツリと裂けて
薄黄色い花びらが
ふるふるとほどけ拡がる
その一瞬を

思いを遂げたいくつもの花が
あちらこちらに揺れているのに、
見ている前ではかたくなに閉ざし
ふと目を離した隙に
既に開いていたりした

もう暗くなるから家に入りなさいと
誰かが迎えにくるまで
小さな女の子が夕暮れ時
ひとりで外にいることの危険など
つゆほどもしらず
許されて一輪もちかえった蕾は

コップに挿され
窓辺に置かれ
月の光を吸うように
音もなく開いてみせたのだった




 










(「しりとりの詩 3nd」の参加作品です。)


自由詩 待宵草 Copyright Lucy 2016-08-08 22:41:10縦
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