暗闇の残像 
st

      暗闇の残像

きみを抱きしめて    すべての映像がじゃまになる
くらやみにてがのびて  僕の感覚は研ぎ澄まされる

柔肌のぬくもりが    残像と重なり合い
たかまる鼓動を     おさえきれない

もうなにもいらない   これからおこることがすべてだ 


        帽子

帽子がにあう人だった    あう時はいつも
僕が贈ったものばかり

お気に入りの        リボンのつば広帽子が
長い髪をひきたてていた

街行く人に面影をみつけ   たちどまっては
胸がたかなる

ひと夏の淡い恋の思い出が  カゲロウのように
生まれては消えてゆく
 


自由詩 暗闇の残像  Copyright st 2016-08-02 05:26:51
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