いつかの生活
ヒヤシンス
驟雨の後の林道に僕の悲しみが溢れている。
それは僕がそこにいない悲しみ。
僕らが出会った薔薇園に憧れという名の薔薇が咲いている。
憧れを持ち続ける勇気を見失わないように。
夕暮れ時に向こうの山でヒグラシが鳴いている。
短い命を精一杯生きてゆく僕らのように。
湖に波紋が広がる時、僕らはそこにいるのだ。
永遠の愛を誓った者同士。
心の不安をかき消して、僕らは生きてゆくのだ。
それが僕らの人生だ。
都会の街路灯の下でそんなことを考える。
いつかの生活を夢見ながら。
自由詩
いつかの生活
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ヒヤシンス
2016-07-30 03:07:26