たんか・たんか・たんか
阿ト理恵

夜空に貼られては剥がされる黒よペーパームーンにうさぎはいないよ


しているあいだにしているあいだけがぼんやりうかぶ空、春の一分


出かけたかったんだマーブルに忘れものを混ぜた虹の伏線


くるなつをくくるつゆあけルンルンをかってかえろうくるりくるりっ


たねのまるいのいろいろのののはなやののくさのうれしそうがゆれる


っているこまごま(か)しながらあいしてるっとかいっている舌がかわいい

笹がそよぎまくる今宵パンダにはがまんしてもらっちゃおっとっとと逢っちゃえ


かぎかっこにとじこめる類の、ふ、やける、すてきなてきに、つ、くろうよるべ


文脈がペースト状になったみたいよるべある闇鍋夜喰ってみな


にえたぎるようがんにとびこめますかターミネーターにはなれっこないのに


かわいてるいしにしみいる無私の聲ちちんぷいぷいあっちむいて星


ラのかおりバランスよすぎる五線譜に♪音あわせはいつもAなのかしら


草に告ぐくさかんむりをはずしてみそらをあおいでみてみ早々


化けたねイヒイヒひきつるねっころがるかるがるしく笑ったよ


ねばならないねをばねにしてはねるってくてくウサギかえろう月へ


風よ、どこに句読点をうったならやさしい雨がふるのだろうか




短歌 たんか・たんか・たんか Copyright 阿ト理恵 2016-07-19 22:26:55
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