ホーキング博士の虚数時間の世界
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以前説明した宇宙のはじまりには、2つの仮説があり、その1つが
有名なホーキングの無境界仮説ですが、そこで流れる時間が、
なんと虚数時間なのです。

虚数単位をiとし、i²=-1即ち、2乗すると-1となるiを使います。
虚数時間とは、iを時間に掛けたもので、(i*時間)なのです。

この不思議な世界で起こる事は、(i*時間)を2乗するものに端的に
現れます。それは力や加速度などで、それらの決定式のなかにある
(i*時間)²が-(時間)²となります。

つねにマイナスがつくのです。例えば力を受けた物体の運動する向き
が逆になり、また球が坂を自然に下る運動は、虚数時間の世界
では、球が坂を自然に上がる運動になるという具合です。

これって、何かににていますね。そう、あまのじゃくの人間の
行動ですね。去れといえば、近づいてきて、来いといえば、離れ
ていく。人間の心理のなかには、虚数時間の世界があるようです。

いうことを聞かないワンちゃんも、虚数時間の世界で、リードを
ひっぱると逃げようとします。かぞえるときりが無いほどで、
ホーキング博士の虚数時間は、意外と身近に感じられる、難解と
は思えない物理の仮説です。

この虚数時間がながれる量子空間を、宇宙の卵の小さな"ゆらぎ"が、
現実の世界へ飛び出すために、障壁となっている真空エネルギーの
山を、前述の球が坂を自然に上がる運動のように登り、その頂上で
しみ出て実時間宇宙に転移したとしています。

この仮説はもう1つの仮説の、ビレンキンが無からのトンネル
効果によって出現したという事に比べ、無という条件が必要なく、よ
り自然なものとなっています。


散文(批評随筆小説等) ホーキング博士の虚数時間の世界 Copyright st 2016-07-18 07:02:42
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