帰路
レタス

言の葉を意味も無く
黙々と繋いでゆく作業は辛い
肩を落とし
改札口を出るとほどなく家は近い

商店街を彷徨いながら
肉屋の前に佇み
揚げられるかたまりを眺めた
一個100円のコロッケを買い
サクり ホクリと
溶けてゆく

忘れたはずの
母の子守歌を想い出し
ホロリ ホロリと歌いながら
家路に着く

言葉が湧き上がらない夕べは
ただ静かに家路をたどり
帰るしかない
夏が来る前に
もう一度
巡り合いたい
その瞳にキスをして
眠りたい




自由詩 帰路 Copyright レタス 2016-07-17 22:35:44
notebook Home