atsuchan69

むかし、
ボクは花に埋もれた
白や紫、
黄、青、赤‥‥
――ある日、
紫の桔梗の花を
ベットいっぱいに飾って
素敵な夜を過ごした
しかし残酷な朝が来ると
花はすべて萎れていた
悲しくなって
頬に一筋の黒い涙をながした
ボクはまた
辛い一日を始める
すると窓の外に夏の光があった
庭に出ると濡れた草むらに
青く小さな露草が咲いている
そしてまだ咲かない白粉花が
背も高く輝く緑の葉を堂々とひろげて
いとも気丈夫な様を見せていた
ある日、
幸せな夜にボクはまた
ベットいっぱいに花を飾って
夢見るように‥‥
深く、いつまでも眠った

悲しみはもうやって来なかった

そして花たちは萎れることがなかった




自由詩Copyright atsuchan69 2016-07-16 13:37:39
notebook Home 戻る  過去 未来