沈めたい
坂本瞳子
一直線の細い雨が降り注ぐ
大海原はビクリともせず
静寂で寛大で奇妙で
恐ろしい
嵐の前の静けさというのか
不気味なほどのしじまは
いつまで続くのか
素足のままでいいのか
ここでこうして
待っていたい
月の見えないこんな夜は
二人の孤独が身に沁みる
遠に忘れたはずの笑顔
耳に残る声は
今もって響く
自由詩
沈めたい
Copyright
坂本瞳子
2016-07-12 02:16:13