美しい光たち
颯太@

静かな月光が滲む
拾ったナイフを見つめ
足りない温もりを
少年は花に求めた

時雨も流せぬ
肌の色と紛争の過ち
引き離された二人を
写真が繋いだ

あの広すぎる夜空に
未来を覗いて
差別を知らぬ
涙を落とす場所は
彷徨う世界の
灯りに変わる

大人たちの争いは
間違ってる
足下の花を
守らなくちゃ

たとえ聳える木々が
僕を貶しても
武器は捨てる
与えられた両手は
空虚を掴む為に
あるんじゃない

温もりある
本当の幸せを掴む為に
届ける為に
きっとある

草木のざわめきに
透明な風を知り
淡い香りに花を知る、
盲目の少女

季節を流れる風は
幾つも町を越え
遅れて届けた
虚しい戦線の状況

一瞬にすぎない命を
この星で抱え
バラックの片隅
小さく呟いた詩(うた)は
闇をも照らす
灯りに変わる

辛くても
消えたりしない
きっと会える
それだけで
生きてゆける

疑い始めた季節が
私をとめても
信じている
君が生きる この世界を
誰の胸にも
光が訪れる事を

日陰にいても
明日が見えなくても
未来は今から
変えられる





自由詩 美しい光たち Copyright 颯太@ 2016-07-09 11:42:17
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