君の欠片
坂本瞳子
君が通りすぎたとき
羽根が一枚落ちた
真黒な羽根は美しく
光を放つほどだった
僕は心配したけれど
君は痛みを感じていなかった
僕が羽根を拾い上げても
君は驚きもしなかった
そんなもの捨ておいてくれと
笑顔を残して去って行った
でもきっと知っているのだろう
僕は今も大事に持っているよ
自由詩
君の欠片
Copyright
坂本瞳子
2016-07-07 18:43:27