ハニー ぼくは ぼくを語ってもいいかい
tonpekep
ハニー ぼくは
ぼくを語ってもいいかい
ピーターラビットが
ぼくのハートをつかんでさ
地平線まで駈けていったころのことだよ
ハニー そのとき
ぼくはみんな好きだったのさ
B型の女の子だって
赤色の色鉛筆を貸してくれたってことで
もう恋したりしちゃってさ
借りっぱなしのままでさ
ときどきそれを取り出してはさ
人参をノートの端に書いたりしたんだ
ハニー それはそれで
ぼくにはどきどきだったんだ
ハニー ぼくは雲ばっかりみていたよ
雲が好きだというわけじゃないんだ
雲と雲の透き間が好きだった
たとえば誰かの手から離れた風船が飛んでいたとか
たとえば籠から逃げた鳥が飛んでいたとか
ハニー ぼくの髪には随分白髪あるでしょう
ハニー ぼくはとびきりの弱虫で
それだから努力もしたさ
自分が何だか見ず知らずの人のように思えてさ
そんなときはいつもドラえもんばかり読んでたさ
ハニー きみには退屈な話だったね