祖母の結婚
しょだまさし
「ばぁばはけっこんしたの?」
「したよじぃじと」
「じぃじのことすきになったの?」
「好きでも嫌いでもなかったのよ」
「どうしてけっこんしたの?」
「皆が決めたの
そういう時代だったの」
「いつすきになったの?」
「さて?いつだったかなぁ
そうそうあなたが生まれた時
じぃじと結婚して
良かったって思ったわ」
「じぃじはばぁばのこと
いつすきになったの?」
「わからないわねぇ
一度も好きって言わずに
天国に行っちゃったからねぇ」
「すきにならなかったの?」
「どうだろうねぇけどね
息を引き取る少し前に
じぃじは最初で最後の
一言を私に言ったのよ」
「なんていったの?」
「ありがとうって」