線香花火
颯太@
線香花火の火花を
ぼんやりと見ていたら
心のなかに響く声
遠い夏へ誘う
眩しい陽射し 虫取り網
三つ編みの君の
麦わら帽子 飛んでゆくよ
そっと風に乗って
何処までも
二人で追い掛けた緑の草原
頬を伝う
無邪気な汗 煌めく夏の午後
線香花火を片手に
思い出を巡ってる
少し疲れた日々の隅
光景が滲み出す
揺れる向日葵 ピーチネクター
寂れたバス停
懐かしいママ 笑ってるよ
もっと髪を撫でて
行かないで
月ヶ丘発、天の川の経由で
もう少し
僕のそばで微笑んでおくれよ
いつまでも
広すぎる空 見つめている少年の
泣き声が
優しく締め付けた夏の午後
線香花火の火花を
ぼんやりと見ていたら
花火の煙がちょっとね
染みただけだよ...