空の時計と
由比良 倖
死にそうな色したアイスだけ食べる人も虹みたいに揺れている
食べ物で模型を作る生きている理由の無さを罪に問えない
強さとは不安、切なさ、優しさの全ての傷を負うことだから
果たしても理知と怠惰をやめてから水は生きても死んでもいない
僕たちに嘘と弱さを与えない//鼓動を捕食して割れた爪
実在があなたを充たすいつかの日、私をそこに入れてください
後悔は、捨てて、買いたい、衝動の、弱さを、夜を、千切り取りたい、
目の底の、虚ろな空で笑うだけ、骨をベッドに打ち付けるだけ
夜の部屋、LEDの光の輪、世界のことを好きになりたい
「君がいてくれさえすればこの世界全てを好きで生きていけるの」
終わりの日、躁鬱さえも完璧な、日に充ち足りて、血は微笑して、
大切な会話は膜に閉ざされて、夜は更けゆく、指が泣いてる
一日に寄り掛かりつつ揺れながら世界と君と右の手首と
「星たちを襲う季節の中心は三十六度ちょうどくらいで」
浅瀬から冷えた、薬を舐め取って君と銀河の「おはよう」を聞く
宇宙船みたいに破綻していたいどこまでもどこへでもかなしく