見据える
ひだかたけし
すとんと落ちた
千回目の墜落
あれ?でも何だか変だ
苦し紛れにした別れ際の旋回が
いつのまにか腕枕に変わり
僕の腕は君の頭に顔に
自然に溶け込んでいく
寂しかったんだね我慢していたんだね
(君はいつも強がってばかりいたから)
神は頭脳から痛み故に捻出された観念ではなく
僕と君の痛みの繋がりの強度から立ち上がり
それなりの手掛かりを然るべき時に与える力動未知
悪循環の現実を切断するのは
然るべき時を見逃さず掴み取り
一歩踏み出す、僕達の意志だ
自由詩
見据える
Copyright
ひだかたけし
2016-06-29 22:38:17