枯れたパセリと
番田 


休日に自転車で走り出す
どこに行くというわけでもなく だけど 
景色の向こうへと私を連れていかせようとする
その意識だけが 私の体を走りださせていた


私は友人の結婚式を欠席するかもしれない
その幸せは 運で稼いだ 金によるものだった
それは 大手企業に勤めていた 友人の
横暴な酒の振る舞いのようなもの


だけど 訪れたことのある この道も
あぶく銭も 消えてしまう記憶のかけらのようなもの
いつか 時がたてば 消えてしまう
人のあるべき幸せの形なのかもしれない


窓の外では感電して枯れかけた
パセリが室外機で風に揺れていた
そんなふうに 色々な 憂鬱な道も  
いつか また 通ることもあるだろう 



自由詩 枯れたパセリと Copyright 番田  2016-06-26 23:29:30
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