真夜中の腹痛
坂本瞳子

腹痛を誰かに八つ当たりしたいけれど
この部屋には他に誰もいなくって
八つ当たりできる心当たりもなくって
外へ出かけることもできなくって
身を捩らせ
冷や汗をかき
呻き声を上げ
恐れ慄き
痛みを抱きしめ
夜が更けていく


自由詩 真夜中の腹痛 Copyright 坂本瞳子 2016-06-26 01:28:07
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