としをとったら
田中修子

わたしかなり年を取ったら
おばあちゃんみたいな
きらきらに
透き通った灰色の
髪の毛になろう

それからもっと年を取ったら
転んで足を悪くするかな
そしたらわたし
茶色につやつや光る杖を
特注で注文しよう

さいごにいよいよ年を取って
何月かもわからぬような天井を
見ることしかできなくとも
わたし総天然ないろを残し
ちゃきちゃき次へ歩いてゆくんだ


自由詩 としをとったら Copyright 田中修子 2016-06-20 21:13:22
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