あおの中から
田中修子

朝、制服
うすい雨のなか
ビニール傘をさして
バス停まで
拒食の脚であるいてた

傘の向こう
こまかな雨粒の向こう
紫陽花が鮮やかに
青色ににじんでけむる
ブラウスが肌にはりつく

すべて何かを通していて曖昧で
それでいて
くっきりとそのときを内側から
見つめていたのだと
いまならわかる


自由詩 あおの中から Copyright 田中修子 2016-06-20 21:08:06
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