思考シ.06
ひだかたけし

意識 開かれていく
音の響き自在な界に
眠りの底 オオゥオオゥ
覚醒の内 ォォイ ォォイ
子音は母音に溶解し
回遊するシの言葉ガ
音像の絶えざる変形に
至福の在る形態、歌い創る

(すべて流れ出し流れ込み
すべて流れ込み流れ出し
すべてすべて流動化して)

雨に打たれいよいよ青くなる紫陽花の
仰向け晒される豊饒な純白の乳房の
ああ何とエロティックなフシギ光景よ

世界在ることの神秘はもはや鮮明に
未だこの界に滞在する私はその一歩先に



木霊する女の絹糸の母音に
入り乱れる男根鋼鉄の子音
欺瞞犠牲に満ちた肉の観念の社会関論理パズル

もう深みも浅みも無いというのに!

二項対立を措定せずにはいられない権力暴力衝動
己が威信の永久膨張円環を閉じる只それだけのために
永遠不動の真理を貨幣を絶対神を仮構排除するとは

贖罪はカノヒトが引き受け
意識清明にして神々の位階を告知したハズなのだ!
歌をシの回遊を蘇りを以て

ところが街の教会では
生温い信仰が偏狭堅固な信念が
グルーヴを欠いた音楽と共に今日も唱えられる アーメンと



魂よ己という魂よ、
宇宙の壮大なグルーヴを
響き木霊スル歌の光の色彩の
その透徹した思考性を徹底的に体験せよ認識せよ

奴隷魂達が次々産み出す物質快楽のうちに
虚無と化してしまうその前に





雨に打たれいよいよ青くなる紫陽花の
仰向け晒される豊饒な純白の乳房の
ああ何ともエロティックな神秘よ


自由詩 思考シ.06 Copyright ひだかたけし 2016-06-20 20:17:28
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