初夏の刹那
るるりら
心明は暗きまま
あけてはくれて繰り返す放埓に
やぶにらみのいばら屈辱の叱咤
(暮れなずむ空に水音蛙の声
星々がしずかに 瞬きを増す頃)
七月の川辺の暗き藪に水だけが光り
みつけたい相手をさがしてゆききする
蛍も ひとつの危機なのだ
(阿弥陀籤のような畦道の草はゆれ)
目を凝らせばゆるやかに
空にうかぶように蛍飛ぶ
風はより清くながれ
Draw a loop いのちのはいれつ
色を越え形を越え
地上にできた天の川
全宇宙の放出しているものは
善だけではない
透明は
くろぐろと うねりながら ときおり光るのだ
(ほたるの波の 白いあとさき)
かみのごと とうめいな住所に
あたらしき からだになりて 発光す
ああ かがやいている燈火よ
葉影にかくれても燃えている
光は湧いて消えかける
消えかけては燃え二匹往く
*本作品は、宮沢賢治の春と修羅 (mental sketch modified)のパスティーシュ作品です。
なお、以前 わたしが企画させていただいた七夕祭に私が みなさまの作品に付けさせていただいた
詩句のいくつかを詩行に とりいれさせていただきました。