願い
坂本瞳子

吐き気がする
自らの言動に
目眩を覚える
間違っているのか
間違っていたのか
一体全体何故に
こんなことになってしまったのか
誰のせいだ
一体どうして

こんな質問を繰り返してもなにもならない
そんなことは分かっている

水面で背泳ぎをし続けている感覚を抱いたまま
逃げてゆきたい
少しでも気を緩めると腰から堕ちてゆく
落ちたら最後、二度と上がってこれない
口からも鼻からも水が入り続け
足がつって腕を伸ばして藻掻いても
なにをも掴めず
助けを求める声を上げるどころか
息もまともにできず
喘ぎ続け
涙も流れず
溺れて堕ちてゆく

溢れる陽射し、生暖かな空気に包まれて仰向けの身体を灼かれ
心地良い冷たい流れを背中に感じてこのまま浮いていたい
それだけのことなのに


自由詩 願い Copyright 坂本瞳子 2016-06-14 23:16:09
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