願い
坂本瞳子
吐き気がする
自らの言動に
目眩を覚える
間違っているのか
間違っていたのか
一体全体何故に
こんなことになってしまったのか
誰のせいだ
一体どうして
こんな質問を繰り返してもなにもならない
そんなことは分かっている
水面で背泳ぎをし続けている感覚を抱いたまま
逃げてゆきたい
少しでも気を緩めると腰から堕ちてゆく
落ちたら最後、二度と上がってこれない
口からも鼻からも水が入り続け
足がつって腕を伸ばして藻掻いても
なにをも掴めず
助けを求める声を上げるどころか
息もまともにできず
喘ぎ続け
涙も流れず
溺れて堕ちてゆく
溢れる陽射し、生暖かな空気に包まれて仰向けの身体を灼かれ
心地良い冷たい流れを背中に感じてこのまま浮いていたい
それだけのことなのに