あおい満月

鎖骨を引き抜いて、
あなたの喉に刺してやりたい。
乳房をもぎ取って、
あなたの口に押し込んでやりたい。
陰部をくりぬいて、
あなたの尻に捩じ込んでやりたい。

俺のオナニーをしゃぶれ、
俺のオナニーをしゃぶれ、
とあなたがうるさく騒ぐから、

鈍器も工具も刃物もない部屋で、
私はこの皮膚を剥ぐしかないのだ。

ソーセージをかじるしぐさで、
あなたをしゃぶっても、
あなたはどんどん元気に不機嫌になる。
肉汁があなたからが滲み出る。
そのなかにいったい何匹の、
子どもがいるのだろうか。

私の頬を殴りながら、
あなたはメトロノームになる。
あと少しだ、やり続けろ、
あと1センチ、0.5ミリ、
バロメーターが頂点にさしかかる。
針が0に重なった瞬間、
あなたは裸のまま煙草をくわえる。

シャワーで髪と口をゆすぐ。
私の唾液から、
数々の白い虫の死骸が出てくる。
0になってもまた湧き出でてくる本能は、
私のものなのか。

私の本能は、
本当にうずいたのだろうか。
私は犬になって、
みてはいけないものを、
貪ったにすぎない。

乳房が沁みる。
喰いちぎられた身体の痕から、
血が滲んでいる。



自由詩Copyright あおい満月 2016-06-14 20:52:24
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