アジサイとカタツムリ
しょだまさし
お父さんが帰って来なくなった
お母さんは泣いたり笑ったり
そして怒ることが多くなった
いつもはお化粧するのに
今朝はしないでお出掛けした
いろんな場所に立ち寄っては
ため息をつくお母さんのことが
心配になりわたしは
おばあちゃん家に行きたいと
わがままを言った
降りた雨降りの無人駅で
アジサイとカタツムリを見た
お母さんと一緒の傘に入り
おばあちゃん家へと歩きながら
電車の中にわざと置き忘れた傘に
心の中でさよならした
自由詩
アジサイとカタツムリ
Copyright
しょだまさし
2016-06-11 21:58:27