鳥の棲む花
木立 悟





雷鳴の腕の輪
静かに降る蒼
光は燃える
ひとつのしるし


星を知らない人に
星を教える言葉
ひとりの背には
降らない言葉


荒涼とした灯の連なりを
鳥の影がすぎてゆく
誰にも顧みられなかった
小さな俳優の手がまたたいている


星を知らない人に
星を教える声がする
姿を見ることができないまま
ただそこに立ちつくしている


渡せない手に
結べない手が触れ
時がはじまり
間がはじまる


蜘蛛の足音
川をゆく火
底につもる影
花に映る羽


昼の雨が生まれては去り
通りから絵は取り外され
手のひらの無にはじまるもの
透明な蕾の空を見る




























自由詩 鳥の棲む花 Copyright 木立 悟 2016-06-11 17:23:08
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