私と反省部屋
くろねこ

何をした罰なのか
記憶が定かではないのだが
子供の時分は
反省部屋と呼ばれていた
離れの中の暗い部屋に
よく閉込められていた。

何も無い中に一組だけ置かれた
机と椅子について
陽が明けて暮れて明けて暮れて
どのくらい時間が経ったのか
分からなくなるまで
ぼんやりと過ごした。

大人になって
この家に誰もいなくなってからも
引きこもりの習慣はなくならず
ただ建物の老築化が激しく
床の状態が不安になってからは
ぼんやりと過ごす時間はなくなり
上ってくるたびに部屋の改装をした。

どこからか入りこんだ
招き猫が作り付けた棚の上に
居座るようになって
何かと話しかけてくるので
一人でぼんやり過ごすことも
無心に作業をすることも
このごろは出来なくなている。


自由詩 私と反省部屋 Copyright くろねこ 2016-06-10 23:00:58
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