篝火
ガト


綿菓子器の真ん中で
砂糖がはじける甘い匂いを
思い出していた

縁日の夜
神社の鳥居の影が作る深い闇は
永遠に私の心の中

御神木の向こうに
ぽっかりと浮かぶ
白い狐面

迎えが来るなら
きっとこんな感じだ

音も無く
色濃く

私は狐に手を引かれて
森に消え

世界は終わりを告げる


自由詩 篝火 Copyright ガト 2016-06-10 02:47:26
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