ウイスキーの海で。
元親 ミッド

夜へと漕ぎ出す小さなボートに
 
キミとふたり。
 
ウイスキーの波に揺られて、揺られて
 
キミとふたり。
 
闇夜の空は真っ暗闇で
 
星一つありゃしない。
 
同じく海も真っ暗闇で
 
海と空とを隔てるものはない。
 
ただ、その狭間にある僕らの呼吸が
 
海と空との間に滑り込む。
 
波間に見え隠れするのは
 
海鳥の形をしたキャンドル。
 
幾らか等間隔に浮かんでて
 
ピート香を放っている。
 
キミのハナウタを聴かせてよ。
 
微笑んでばかりいないでさ。
 
夜へと漕ぎ出す小さなボートに
 
キミとふたり。
 
ウイスキーの波に揺られて、揺られて
 
キミとふたり。
 
乾杯しよう。
 
ウイスキーの海で。


自由詩 ウイスキーの海で。 Copyright 元親 ミッド 2016-06-09 07:33:54
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