街の子のために
もっぷ

表参道で下車し
迷わず骨董通り界隈の路地裏に滑り込む
ことのできる哀しみを
誰かうたったことがあっただろうか

時間ときの迷子たちがいつも
喪服を選び歩く路
解放的なカフェには
彼らは一瞥もくれずに きょうもほら、

下ってゆく螺旋階段は
彼らをしか選ばずに現れる
間違いでなく

ほんとうに下ってゆくための階段は
実際に一つしかない
これから産まれるための



自由詩 街の子のために Copyright もっぷ 2016-06-09 00:05:37
notebook Home