たまねぎの所為じゃなさそうだ
アレだよアレ




薄っぺらなスクリーン

目を瞑るよりも暗くない部屋

フィルムの回転が切なくて切なくて

エピローグで音のない涙を零す




次に泣けるのっていつなんだろう?




凝り固まった泥人形

溶けた痕のあるコンクリート

ここを通った記憶がある

何度も




泣けるんだろうか?

欠伸の他に泣いたのは

ずっと前の事に思えて







でも多分

誰もいない交差点でひとり信号待ちをする時

見上げた夜空に星さえ無かった時

あの懐かしい曲をふと聴いた時なんかに

簡単に

いとも容易く

涙は流れるのだろう










自由詩 たまねぎの所為じゃなさそうだ Copyright アレだよアレ 2016-06-08 21:43:47
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