さっちゃん
少年(しょーや)
君はいつだってそうやって自由奔放で
何だって自分の思うままに操って
「はははっ!まじうけるw」とか太ももの辺りをワンピースの上からぺちぺち叩きながらケラケラ笑ってた
それがなんか羨ましくて、楽しそうで、ちょっとだけ憎らしくて
何だろうなぁ……
そこまで美人ってわけでもないし、かと言って可愛くないのかって言ったらそうじゃないし
ちょいちょいムカつくし
その隙を見てめちゃくちゃ優しいし
つーか全部計算でやってんだろ?って思えるくらいに完璧な女の子
そんな景色が当たり前すぎて
いつの間にかこんなに時間が経ってしまっていて
この先もずっとずーっと君はそこに居るもんだって思ってたから
失くした後の事なんて考えたこともなかった
だからごめん、わがまま言わせてよ
もう一度……もう一度でいいから一緒に遊ぼうよ
10分でも5分でもいいから隣にいて笑ってよ
出来ればその時は
ほんの一瞬でもいいから
君の弱いところも見せて欲しいな
少しだけ
ひと握りでいいから
か細い声だけでもいい
横顔でもいい
震える手とか丸まった背中でもいいから
見せてよ
君自身の声を聞かせて欲しいな
※大森靖子さんの「さっちゃんのセクシーカレー」をモチーフにして