さっちゃん
少年(しょーや)

君はいつだってそうやって自由奔放で
何だって自分の思うままに操って
「はははっ!まじうけるw」とか太ももの辺りをワンピースの上からぺちぺち叩きながらケラケラ笑ってた
それがなんか羨ましくて、楽しそうで、ちょっとだけ憎らしくて

何だろうなぁ……
そこまで美人ってわけでもないし、かと言って可愛くないのかって言ったらそうじゃないし
ちょいちょいムカつくし
その隙を見てめちゃくちゃ優しいし
つーか全部計算でやってんだろ?って思えるくらいに完璧な女の子


そんな景色が当たり前すぎて
いつの間にかこんなに時間が経ってしまっていて
この先もずっとずーっと君はそこに居るもんだって思ってたから
失くした後の事なんて考えたこともなかった
だからごめん、わがまま言わせてよ
もう一度……もう一度でいいから一緒に遊ぼうよ
10分でも5分でもいいから隣にいて笑ってよ

出来ればその時は
ほんの一瞬でもいいから
君の弱いところも見せて欲しいな
少しだけ
ひと握りでいいから
か細い声だけでもいい
横顔でもいい
震える手とか丸まった背中でもいいから
見せてよ
君自身の声を聞かせて欲しいな




※大森靖子さんの「さっちゃんのセクシーカレー」をモチーフにして


自由詩 さっちゃん Copyright 少年(しょーや) 2016-06-07 07:55:39
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