舟の家
吉岡ペペロ

舟が港につながれている

波がゆれている

生き物の呼吸のよう

あたしは森からそれを見る

ひっきりなしの鳥の鳴き声

それがあたしの胎教

何度も生まれて

一日に何度も死んでいく


人よりも

社会制度のほうが随分とやさしい

こんな寂しいところで

あたしは望まれないで生きている

朝が来る


地球のこどもが泣いている

地球のこどもが笑っている

地球のこどもが探している


人よりも

社会制度のほうが随分とやさしい

こんな寂しいところで

あたしは望まれないで生きている

朝が来る


舟が港につながれている

波がゆれている

生き物の呼吸のよう

あたしは森からそれを見る

ひっきりなしの鳥の鳴き声

それがあたしの胎教

何度も生まれて

一日に何度も死んでいく









自由詩 舟の家 Copyright 吉岡ペペロ 2016-06-05 16:54:15
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