wait for
ねお

もっと先まで見せてあげる、と
君が伸ばす手を
掴む勇気が足りなくて
でも離れたくはないから
迷子になりたくないの、と
嘘をついて
どこまでも
その声に導かれて

君のぜんぶを抱きしめて
ひとつ残らず私にしたい
一粒の愛で構わないから
私に注ぎ続けて

100あるうちの1に満たないぐらいの
そんな隙間でいいから
君を満たしていたい

そうやって私は、

だから 泣いても見ないふりをして
私の笑顔だけを知っていて
いつか 私が
その手を掴む日まで
(おいで、と呼ぶ声を どうか絶やさないでいて)


自由詩 wait for Copyright ねお 2016-06-04 23:45:21
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