帰りそびれた白鳥
st

アヤメが咲いて 瓢湖の祭りがもうすぐはじまる
この頃になるといつも気になるのは 傷ついて帰りそびれた白鳥のこと

どうやら友達らしいカモ達が なんともないのに残っている
冬でもないのに 冬の渡り鳥が何種類も見られる
キンクロハジロ ホシハジロ マガモ コガモ ヒドリガモなど

白鳥のことを心配して 残ってくれているようだ
餌は誰かが与えているらしく みな元気だ

白鳥は帰れなくても 友達が多いし 
あと数か月でまた皆が戻ってくることを しっているので
それほど悲しそうにはみえない 

だが時々折れた翼を羽ばたかせて 湖面を走るのだ 
やはり帰りたかったのだろう 

この頃になるといつも気になるのは 傷ついて帰りそびれた白鳥のこと


自由詩 帰りそびれた白鳥 Copyright st 2016-06-02 05:05:04
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