発色
Lucy
黙ってただ生きる
ということができない
永久に
見つけてもらえないから
暗いさみしい器の底で
発語したがる
別なあたし
世界中でたった一人の
ひとに向かって
そのひとだけに
読まれたくて
裏の裏の
奥の奥の
内側に隠れた
本当のあたしを
捏造する
こんにちは
こんばんは
今はただ
誰でもいいから
見つけてほしくて
みさかいなく
表したかったことよりも
隠したかった波長にむしろ
文字は発色する
思わぬ色で
あられもなく
(**「しりとりの詩 2nd 」参加作品です。)
自由詩
発色
Copyright
Lucy
2016-05-30 21:51:56
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