セクシャル・フレンド
白糸雅樹
なぁんにも期待しないから突然に欲望だけを素直に告げる
ライバルを口説きたがるの悪い癖知っております言われなくとも
ねぇ蛇さんわたしはイヴよつややかな知恵の木の実を手にする前の
パソコンに向かう君の背にもたれ君が興味のないものを見る
草上の朝餉のように装って珈琲の渦ふたり眺める
関係が変わったのだねいつのまに君が変わったわけではなくて
ともだちに戻れば甘く明け方にインティメイトな接吻をする
絶望をしているのかなパルレ・モア・ダムールの後のうふふを真似て
お下がりをあげるよ花を花束をアルジャーノンに捧げた花を
自負なのか劣等感かは知らぬけど君は激しく現代詩人
一電車遅らせ席をとるよりもふたり立つのがちょうどよい距離
数年を経れば遠さが心地よく密かにめでる君の横顔