原光景(改訂)
ひだかたけし

小学生時、
休み時間の校庭で
クラスメート達と遊んでいる最中
ふと空を見上げ
僕は目撃した、

覆い尽くしていた黒雲が割れ
垣間見えた空の青が裂け
一条の燃え響く光の帯
校庭で遊ぶ生徒達を
ギラギラと照らし
広がり包み込んでいく
その荘厳で異様な光景を

飛び跳ねている者
球を投げている者
ただ叫んでいる者
笑い転げている者

すぐ間近なのに遠い
皆が皆で芝居している
そう露わに感じながら
その様を何処か外から
凝視目撃し続けている
剥き出しの自分が居る

その強烈な自己存在感覚
その荒涼とした疎隔感


僕は、
鮮明な余りに鮮明な覚醒感に貫かれ
畏怖と陶酔の渦巻く中その場に立ち尽くしていた。






自由詩 原光景(改訂) Copyright ひだかたけし 2016-05-30 11:33:09
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