原光景(改訂)
ひだかたけし
小学生時、
休み時間の校庭で
クラスメート達と遊んでいる最中
ふと空を見上げ
僕は目撃した、
覆い尽くしていた黒雲が割れ
垣間見えた空の青が裂け
一条の燃え響く光の帯
校庭で遊ぶ生徒達を
ギラギラと照らし
広がり包み込んでいく
その荘厳で異様な光景を
飛び跳ねている者
球を投げている者
ただ叫んでいる者
笑い転げている者
すぐ間近なのに遠い
皆が皆で芝居している
そう露わに感じながら
その様を何処か外から
凝視目撃し続けている
剥き出しの自分が居る
その強烈な自己存在感覚
その荒涼とした疎隔感
僕は、
鮮明な余りに鮮明な覚醒感に貫かれ
畏怖と陶酔の渦巻く中その場に立ち尽くしていた。