文月
あおい満月
夏が近づくと、
青空が目に染みる。
遠いはずのあなたを、
こんなにも近く感じる。
あなたは、
私の手首に突き刺さった、
血にまみれた硝子の破片を、
一枚ずつ抜いてくれました。
私は、
永遠を求めすぎて、
自己を傷つけてきました。
けれど、あなたが現れてから、
あなたと手をとって、
夜の街を走り出した時から、
ひとすじの光を見つけました。
今では手首の傷は、
消えかかっている。
風が柔らかく左手首を撫でていく。
私の本当の誕生日と、
あなたの誕生日がやってくる。
歩調を合わせながら、
ともに歳を重ねて、
私はまたひとつ、
かなしいよろこびに包まれる。
遠くで、
潮騒がないている。