美~窓辺にて
ヒヤシンス
ロベリアの水色が私の窓辺で咲いている。
脇役に徹しているカスミソウの白い花は妻の好みだ。
陳腐な言葉など必要ない。
そこには小さな美が溢れている。
どんなに小さな表現でさえも美は含まれている。
心に張り巡らされた感覚こそは宝だと思える時、
人はすでに一歩前進しているのだ。
前進の中に包括されている美を私は信じる。
美はあらゆる所に存在する。
焦る必要も悩む必要もない。
人それぞれの心の中にそれはいる。
私は妻と窓辺に座り、小さな美を見ている。
お互いの心に宿る美を感じながら。
空の彼方に夏が顔を覗かせている。